No.79 死んでほしかった母に、本当は愛されていたと気づき、泣きながら詫びた 北海道・51歳・男性

(1) 親子

投稿日 : 2014年4月20日 No.79

私は、両親、とくに母を毛嫌いしていました。早く死ねばいいとも思っていました。母の行い、言動、存在が嫌でした。しかし、同時に苦しんでいました。

 産んで育ててくれた、そして学校にも入れてくれた、そんな母親をなぜか好きになれない、本当は感謝しなければならない人なのに、恨み、憎んでいる自分がいて、その自分が許せなくて苦しんでいました。

 十年ほど前から営業マンとしての成績不振、上司からの叱責、酒の飲みすぎ等、こんな人間ではないと思っていながら、真逆の悪い行動を起こしたり、悪い成績に陥ったりして、自分への不信感が増していきました。

 そして昨年、うつ病を発症してしまいました。その三カ月後、依願退職という名のクビです。

 正直、その時から人生を終わりにしようと何度も考えました。自分の現実を見せつけられ、人として負け組みで、生きている意味がわからなくなってしまったのです。今までの人生すべてを否定されたようで、収入もなくなり、何をしていいのかわからなくなり、毎日、家でボーッと過ごしていました。

 そんな中、こんな私なのに、両親は本当に心配してくれて、もう五〇歳も近い息子のために、母は昼ごはんをどうするかなど気にかけてくれました。

 また、家内は、私が自殺してしまうのではないかと心配し、夜寝る時など決して私の手を離しませんでした。一人息子も理解してくれて、毎日家にいる私を父親として扱ってくれました。

 以前から私は精神世界に興味があり、アイジーエーを知っていたので、それをふと思い出し、インターネットで調べました。

 真我開発講座の受講料十六万八〇〇〇円は、私にとっては安くありません。家内にはなかなか受講したいと言えなくて(無職ですし……)、我慢していましたが、ある日とうとう打ち明けたところ、予想に反して受講を快諾してくれました。

そして、いざ講座に臨んだわけですが、最初は嫌でした。表面では期待していたかのようでも心の中では講座を疑問視していました。早く終わって帰りたい、正直、反発する気持ちすらありました。

 すがりたいという気持ちやワクワク感より、やらされ感があり、嫌々進めていたのですが、途中でとにかくやろうと決心して騙されたと思って集中したところ、いきなり、本当の自分と出会うことができました。素直が大切なんだとそのとき痛感しました。

そして、なぜ私が母親を嫌っていたのか、その意味がすっかりわかったのです。それは、ただ自分のワガママであり、いかに母の愛が素晴らしいのかを思い出し、気が楽になりました。これまでの現実は自分で作っていたということがよくわかりました。今の中にすべてがあるということが腑に落ちました。

 両親、家族、その他すべての人たちの愛を理解していなかった自分を思い知り、今までの人生を損したとも思いました。家内を本当に愛していることに気づき、子供から学ぶことがあまりにも多いことにも驚かされました

 受講から戻った日、同居の両親の前で感謝とお詫びをして、「原点の心」をそのまま読み上げました。恥ずかしいとか、格好悪いなんて微塵も思わず一気にやりました。それも泣きながらです。最後は三人で抱き合いながら泣いていました。いつの間にか家内もいて、そばで泣いていました。

 でも、それを最後に、我が家は明るくなりました。挨拶が飛び交う家になりました。「おはよう」「いただきます」「ありがとう」と、こんなこともできなかった家が、ウソのようです。家内もなんでも話してくれるようになり、小さな事でも共通の話題として話し合えるようになりました。私は、真我は我が家だと思いました。安心の臭いのする我が家なのです。

 うつ病で失職し、家にいるのを近所に知られるのが嫌で、半引きこもりでしたが、今はほとんど気にせず出歩いています。現在も通院していますが、受講前よりはるかによくなっています。

 家事や買い物も私がやっているのですが、以前は家にいる身だからと変な義務感で楽しくもなかったのが、今は家事をやらせてもらっていると思え、掃除、洗濯、買い物、料理までまったく苦になりません。

 自分がもともと明るい人間だったことも思い出しました。

 自分が変わるだけでよい、そして、周りは引っ張られてくるということを確信しました。
 ありがとうございました。