(8)うつで休職するもYSメソッドで結婚願望がその心で婚活し妻子に恵まれた 山下幸司さん(仮名・47歳)

(4) 治療に取り組むポイント

心の回復は、「心」「言葉」「行動」がセットになったとき確実に進む

心の病の回復は、「心」と「言葉」と「行動」がセットになったとき、確実に進んでいきます。今回の体験記は、そのことを具体的に教えてくれるものです。

この方は、「佐藤康行 真我メソッド」(YSメソッド)のカリキュラムに取り組むなかで、心の変化とともに得た気づきを、行動へとつなげておられます。

例えば、口うるさくヒステリーで、うっとおしい存在だったお母さんに対し、自分を命がけで産んでくれたんだ、という気づきがわき出たとき、その心を、生まれて初めてお母さんに誕生日の花を贈るという行動に表しておられます。

また、ワークの結果として「結婚したい」という思いが出たときには、実際に人の中に入っていき、婚活をスタートされました。

心が変化していったとき、それを心の中にとどめておくのではなく、言葉や行動に表していくことで、人との関係や環境が変化していきます。そうすれば自分が今いる環境が、心の回復にとってより良いものになっていきます。さらに、言葉や行動に表すことによって、心の変化も加速していきます。

今回の体験記の方が、うつ症状の波がある中でも、実践に取り組み、やがてうつ症状がなくなっていかれたのは、その証です。

YSこころのクリニックでは、心の状態の改善をサポートするだけではなく、それを言葉と行動につなげる方法を体得するためのプログラム(=3時間実践カリキュラム)をご用意しています。

病からの社会復帰プログラムとしても有効です。

日常生活の中での実践のためにご活用ください。

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40歳の時、私はうつになりました。突然身体が全く動かなくなり、めまいや胸の痛み、身体の寒気がひどくて夏の暑い日でも布団の中でぶるぶる震えていました。わけもなく死にたいと思うようになりました。

うつになった原因ははっきりとはわかりませんが、電機メーカに務める当時の私の状況は、製品の不具合対応とパワハラ上司からの説教の憂さ晴らしでスナック通いの毎日でした。

最初はうつとは思わなかったので、いろんな病院で検査をしましたが全て異常なし、結局心療内科で抗うつ剤を処方されましたがドクターの対応に不信感を持った私は一切飲みませんでした。

会社は休職しましたが自分で何とか健康になりたいとの思いから、ヨガや整体、食事療法、座禅などさまざまな方法をネットで模索しては試しつつ、発症から5ヵ月後、このYSメソッドに出会いました。

初めての2日間集中カリキュラムでは、私は人の欠点を探しては批判ばかりするような人間だと気付き、こんなイヤな自分を変えたいと思いました。

現象面を変えるには行動が大切、でもできることなんてあるのか? 

それで思いついたのが街のゴミ拾いでした。

初めての行動でした。

次の2日間では、鳥取に住む母との関係について心を探りました。

母はいつも口うるさく、時にはヒステリーを起こしてうっとうしい存在でしかありませんでした。しかし、母は私を命がけで産んでくれたんだと思った瞬間、何かが心の底から湧き上がってくるのを感じました。

「本当の自分」が垣間見えた瞬間でした。

そして生まれて初めて母に誕生日プレゼントの花を贈りました。

母は喜んでくれました。

その後、佐藤康行先生が直接指導するカリキュラムに参加する機会がありました。それまで結婚したいと思ったことは一度もありませんでしたが、ワークが終わる頃には結婚したいという思いが生まれて初めて湧いてきました。そして「1年以内に相手を見つけるんだ」と決意しました。

7ヵ月の休職から職場復帰しましたが、依然うつの波が時折やってくる中で私の婚活は始まりました。

でもこのYSメソッドで「本当の自分」を追求していくことこそが私の婚活なんだという思いもあり、カリキュラムへの参加を続けました。

人と話すのが苦手だったので訓練だと思って男女や年齢に関係なく他の参加者に声をかけたり、似顔絵入りの名刺を作って配ったりしました。

いつの頃からか自ら積極的に人に会いに行くようになっていました。

その結果、決意からちょうど1年後、妻となる女性と出会い、半年後、彼女を実家に連れていった時にプロポーズをしました。

そしてその翌日、両親を前に「原点の心」を読みました。

今までにないほどの涙が溢れてきました。

結婚して1年後にはようやくうつ症状がなくなり、身体もだいぶ元気になりました。昨年の4月には待望の子どもも誕生、仕事にもやりがいや喜びを見いだせるようになり、今とても幸せです。

うつになって本当によかったです。