(1)うつ・登校拒否の娘が、自分の夢に向かって動き始めるまでに回復! 田村千由紀さん(仮名・53歳)

(3) 家族療法で大調和

子どもの病のおかげで、家族みんなが良くなった

YSこころのクリニックでは、心の病を抱えたご本人だけではなく、ご家族ご一緒に取り組んでいただく家族療法の治療コースを設けています。

治療が進む中で、多くのご家族が、ご自分が抱えていた心の苦しみを解消していかれます。

そして、「病のおかげで、家族みんながよくなることができた」という言葉を口にされます。

今回は、うつで登校拒否だった高校生のお子さんとご一緒に治療に取り組まれたお母さまの体験記をお届けします。

YSこころのクリニックに通うなかで、お子さんがご自分の夢に向かって進み始め、さらにご家族のすべてが良くなっていかれた姿をご覧ください。

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◆嘘をつかされた子ども時代◆

私が幼いころ、あまり父が家に戻らず、「時々来るおじさん」といった感じでした。父は私のことを「可愛くない」と言ったそうで、それを聞いた母は父と離婚しました。

それからの母は、男性関係が割と派手で、しかも、母がデートで留守中にほかの男性から電話が来ると、娘の私に嘘をつかせたのです。

結婚後、子どもができて思い出したのは、幼い頃、電話で嘘をつかされたことでした。当時は母に言われるままでしたが、どれだけひどいことをさせられたのかが分かり、それが心のどこかにずっと引っかかっていたのです。

◆娘が登校拒否に◆

今から5年前のことです。当時高校2年生だった娘が、登校拒否になりました。原因は、英語の授業で日本語が一切許されなかったことや、友人同士の人間関係の悪さが、誰とでも仲良くしたい娘にとってストレスだったようです。

心療内科では、「抑うつ」「心身症」「うつ状態」などと診断されましたが、どこの心療内科に行っても良くはなりません。

一番ひどかったのは高校を辞めた直後の3ヵ月間で、片時も目を離すことができませんでした。夜になると「怖い! 怖い!」とわめいて外に飛び出したり、ベランダにぶら下がったり、いつ飛び降りて死んでしまってもおかしくない、あまりにひどい精神状態だったのです。娘は、今でもその頃のことを思い出せないくらいです。

幸いにも、高校の先生の励ましで東京の大学への入学が決まりましたが、せっかく受かった大学も、半年ほどで行けなくなってしまいました。

そこで、東京でも評判のいい心療内科を受診しましたが、根本治療にはならなかったのです。

娘だって好きでこうなったわけではないし、私が言葉で娘を責めたら、ダメになってしまう。しかし、我慢していても、心のどこかで娘を攻撃してしまっていたのでしょう、私が何気なくついたため息で、娘をひどく傷つけたこともありました。

◆娘が劇的に変わり始めた!◆

そんななか、YSこころのクリニックのうつ治療専門のプログラムがあると聞いて、早速娘を連れて受診しました。

娘は自分の心を深く掘り進めるカリキュラムのワークが苦手で、気が進まない様子でした。それでもカウンセラーが娘のあるがままを受け止めて「好きなことだけしてみたらどうか」とアドバイスをいただきました。

娘は料理が好きなので、作ったものを写真に撮ったり、クッキーを焼いてカウンセラーに持って行ったりしました。

すると、娘はどんどんイキイキし始めたのです。

登校拒否になって始めた朝食作りもますます頑張り、前日の夜から下ごしらえするまでになりました。娘の好きなことに心の方向を向けて頂いたのが、後々うつ状態から脱した大きな力になっていると思います。

娘の将来の夢は、ヨーロッパで和のテイストを取り入れたカフェをオープンすること。そんな娘に、カウンセラーに頂いた意外なアドバイスが、「今すぐカフェでアルバイトを始めてみては」ということでした。「治ったらバイトをしよう、じゃなくて、まずは好きなことをやってみればいい」という方針からのことでした。

早速カフェの面接を受けた娘は、店長さんに心の病気のことを正直に話しました。すると、店長さんは、「よくアルバイトをしようと思えるところまで回復したね!」と、一緒に喜んでくださいました。

お客さんが喜んでくれるから、お客さんのために頑張れる。娘は、人のためになった時、ものすごく力を発揮するようです。これまでの娘では考えられないくらい元気に通っています。もう、娘のうつ状態はどこかに消えてしまいました。大学も、近々復学する予定です。今はその夢に向かって、さらに毎日キラキラと輝いています。

◆娘のために受診した私にも大きな変化が◆

カウンセラーから、子どもの不調の原因は親にあることが多いと聞き、私もYSメソッドのカリキュラムを受診しました。

私が経験した変化はあまりにも劇的で、一番の変化は、やはり娘のことを気に病まなくなったことです。状況は何も変わってなくても、「私はこんなに幸せだったんだ!」と思えるようになり、それが娘にも伝わって「お母さん、楽しそうだね」と言われます。今、娘の存在そのものが、とてもありがたいのです。そして、娘に感謝できたことで、この娘に出会えたのは、私にあの母と父がいたからだ、という気づきが湧き上がってきました。

すると、両親が離婚したことも、母へのわだかまりも解けて、すべて許せるようになりました。ほとんど接点のなかった父にも、感謝の気持ちが芽生えたのです。

◆家族の全部が良くなった!◆

夫も、ここしばらく仕事の事で心の問題を抱えていたので、YSこころのクリニックを受診しました。その結果、何と私に感謝の手紙をくれて、本当にビックリしました。楽しく働けるようになった夫の成績は急上昇!ボーナスもアップし、部下の皆さんにもかなり慕われているようです。

こんなに家族の状態が良くなったのも、全て娘のうつ状態と、登校拒否のおかげです。長くつらい日々でしたが、それは決してマイナスの出来事ではなかった。私は今、そう確信しています。